卒業生リレーエッセイ

野村直樹先生最終講義 -国際9期生 原田友恵さん【卒業生リレーエッセイ(A-9)】

人文社会学部国際文化学科9期生の原田友恵です。
2年生の後期から野村直樹教授のゼミで勉強させていただきました。

そのご縁でこのホームページでも告知いただきましたように
2/13(土)に行われた野村先生の最終講義に参加しました。

先生の退官の知らせを聞き、月日が経つのは早いものだと驚きを隠せませんでした。

卒業以来訪れていなかった山の畑キャンパスは
当時と変わらずきれいな校舎でしたが
人社棟などの校舎に1号館、2号館と名前がつけられており
在学中と変わった部分もみられました。

講義は大教室が満席となる盛況ぶりで、
多方面から大学の先生や学生、卒業生が参加しており、
そこからも野村先生のこれまでの功績がうかがい知ることができました。

講義内容は大きく分けて前半は、主に自分も在学中に野村先生が研究されていた内容で
キューバ音楽の演奏などもあり、懐かしさと久しぶりに先生の講義を聞けたというワクワクで
胸がいっぱいになりました。

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一般的な大学の講義とは異なり、野村先生のお話の間に
聴衆の中にいらっしゃった、研究内容と関わりのある様々な先生方にマイクが向けられ
野村先生以外の人もたくさんしゃべるという、いつものスタイルで講義が進められたのもまた
私にとってはとても懐かしく感じられ、「これこれ」と一人心の中でつぶやき
久しぶりに先生の講義を聞けたという嬉しさをかみしめていました。

後半はE系列など私が卒業後に研究されていた内容になり、
初めて聞くことばかりで前半とは違うワクワクに胸が躍りました。
物理学や薬学の先生にもマイクが向けられ、理系分野にまで研究内容が進出していて
野村先生も「僕もこの分野はまだ勉強し始めたばかりなんです」とおっしゃっており、
最終講義にして改めて野村先生の研究に対する貪欲さをひしひしと感じられ、感嘆するばかりでした。

そして最後は谷川俊太郎の「生きる」という詩を
マイクを回して数行ずつ様々な人に読んでもらいました。

「生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみをすること

あなたと手をつなぐこと

…」※

その後参加者それぞれの“生きる”とは、を聞いて周りました。

生きているということ、それは「息をすること」
「今先生の講義を聞いているということ」
「明日会社に行くのが面倒くさいなと思うこと」などなど
百人百通りの“生きる”とは、が聞け、
自分にとっての“生きる”とは、を考えるとともに
野村先生の研究分野である文化人類学の原点のようなものに気付かされ
とても心温まる締めくくりでした。

次は同じ野村ゼミで勉強した同級生の木藤さやかさんです。
よろしくお願いします。

※「谷川俊太郎詩集」(ハルキ文庫)参照

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