アフリカと出会った大学生活 -国際10期生 清水(旧姓:小笠原)愛さん【卒業生リレーエッセイ(A-12)】
掲載日:2016年8月21日(日)|カテゴリー: 卒業生リレーエッセイ
浅野さんよりバトンを受けとりました、国際文化学科10期生の清水愛(旧姓:小笠原)です。
昨年11月に二人目の子供を出産した今は育児休暇中ですが、大学卒業後、私は横浜でシステムエンジニアをしています。
国際文化学科からシステムエンジニアになるなんて、縁が遠い気がしますよね。正直に言うと情報の単位を落とした記憶もあります(笑)。
しかし、システムエンジニアになるきっかけになったのは大学生のときの経験がきっかけなのです。
大学入学後、海外に興味があった私は、世界中に支部のあるアイセックという海外インターンシップのサークルに入りました。
入って数ヶ月、東京でアジア地域の国際会議が開かれると聞き、参加してみると、そこには東アジア地域から来た沢山の学生たちがいました。日本の大学からも沢山の学生が参加しており、総勢100名以上いたでしょうか。異なる価値観や様々な文化に触れ、とても刺激を受けた私は、その数か月後にはナイジェリアに向かっていました。今度はアフリカでの国際会議に参加するためです。
アジアでの会議とは違い、アフリカの学生が大多数、ヨーロッパから数名、アジアからは私ともう一人の日本人、2人だけの参加です。これが私の初めての海外旅行でした。アフリカと聞き、どんなに貧しいかと思い行ってみると、確かにインフラ整備は不十分さが見受けられるものの、それより際立っていたのが人々の笑顔です。ガタガタの道、明らかに定員オーバーの車、すぐ止まる電気、なんでこんなにみんな笑顔なんだろう。その人々の素敵な笑顔に私は虜になっていました。
帰国後、すっかりアフリカに興味を持った私は、アフリカでのインターンシップを経験したいと思うようになりました。
バイトでお金を貯めたり、英語の勉強をしてTOEICを受けたり、現地NPOとメールでやり取りして、大学二年生の夏にカメルーンのNPOで二か月間のインターンシップが実現します。
そこで私は、子供教育プロジェクトのファンドレイジングを担当しました。そのプロジェクトは、学校にいけない子供たちが学校に行けるよう金銭的な支援を行うものでした。日々の活動としては、プロジェクトの支援を受ける子供に会いに行ったり、日本での募金を呼び掛けたりしました。
支援している子供に、「このプロジェクトのおかげで学校に行けている」と感謝されたときには、とても嬉しい気持ちになりました。
ただ、私はこのインターンシップで心の中にモヤモヤを感じずにはいられませんでした。
それは「あげる側-もらう側」の関係性です。
そこに明確な隔たりがあるように感じたのです。そしてその隔たりはどんどん開いていくように。
「あなたは何をくれるの?」
この言葉はインターンシップ中、近所の子供に実際に言われた言葉です。
唖然としました。もらうことが当たり前になっているのです。
私は回転寿司屋のアルバイトで、労働の対価としてお金をもらっていました。
そしてお客さんは「ありがとう」と言ってお金を払っていきます。
ここにはwin-winな関係がありました。
しかし、インターンシップで感じた「あげる側-もらう側」の関係性には、
win-winな関係が感じられませんでした。
自分なりに考えた結果、アフリカで必要とされているのは援助よりも仕事なのではと思うようになりました。
もらう側があげる側にもなる仕事だと思ったのです。
その積み重ねが、自信と自立に繋がると考えました。
ただ、仕事といっても、何か技術がなければ仕事は作れません。
この「技術」がキーワードになり、私はシステムエンジニアとなりました。
システムエンジニアという仕事は日進月歩、ある言語を覚えても、また異なる言語で開発する必要性も出てきます。
まだまだシステムエンジニアとしては未熟な点も多々ありますが、入社3年目では優秀社員として表彰して頂くこともできました。
今は子育て中心の生活をしていますが、子育てが一段落したら、技術を社会に還元できるような仕事ができたら嬉しいです。
大学生活は、私の人生の中でとても楽しく、有意義な時間を過ごせたと思っています。
それは、興味を持ったことに挑戦し続けることができたから。
今、大学生活を送っている人は、是非いろんな世界に挑戦してほしいと思います!
つらいことも楽しいことも経験することになると思いますが、きっとに将来の糧になってくれますよ!
次は、同期でサークルも一緒だった秋山吉子さんにバトンタッチしたいと思います。
2016年8月21日(日) 20:20|タグ: 国際文化学科
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